しょっぱなから第一志望を受験

2月1日の午前中、つまり中学入試の初日に、いきなり第一志望のカトリック校を受けなければならなくなった。

 

出来れば、一番最初の本番のテストは、 本番の雰囲気に慣れるためにも 第一志望校ではなく、滑り止めの中学校の方がよかったのだが 、 スケジュール的にこうなってしまったのだから仕方がない。

 

12歳の娘にとって人生で初めての入試が、 一番入りたい中学の入試になってしまったので、プレッシャーは半端ではなかったと思う。

 

第一志望の中学校では、前もって「体験入試会」というのがあって、 今までに2回参加していたが、体験入試はあくまで体験であって、やっぱり本番とは緊張感が違うよなぁ。

 

もし、一発で合格できれば、初日だけで、 中学入試が終わるのだから、これほど楽なことはない。

 

親も本人も1回目の入試で、さっさと 合格して「 早く春を迎えたい」と 思っていた。

 

娘は4科目入試を受けたので、終わるまでに3時間以上はかかってしまう。

 

私と夫は一旦家に帰り、私は家事などをして過ごしていたが、どうにもこうにも落ち着かず、ずっと祈るような気持ちで過ごしていた。

 

試験が終わる頃、また学校に行き、控え室で娘を待っていた。

 

その間、先生方が試験問題について説明してくれた。

 

その説明を聞いて、ちょっと嫌な予感がした。

 

今までの過去問題集には出ていなかったような問題が、いくつか出題されていたからだ。

 

私が聞いた限りでは、結構難しい印象を受けた💦

 

大丈夫かな~😱ちゃんと解けたかな?

 

不安はピークに達していた。

 

不安なまま娘を待ち、 数分後にテストが終わり、 娘が戻ってきた。

 

娘の第一声は

 

「難しかった」

 

私の嫌な予感は的中した。

 

今まで10回以上模試を受けてきたが、娘がテストが終わった後、「難しかった。」と言った模試の結果は必ずと言っていいほど、悪かったからだ!

 

あー、 難しかったのね?ということは、 結果は、 考えたくないけれど、 あんまりよくないということだよね😭

 

直感的にそう思った。

 

帰りの車の中で入試問題を見て、その不安は確信に変わった。

 

何これ?今までの過去問題集の傾向と全然違うし、かなり難しい。

 

私は過去10年分の過去問題集を娘と一緒に解いていたので、今までの傾向がだいたい頭に入っていた。

 

特に社会は、今までの過去問題集の傾向と全然違うじゃないの!

 

あと、時事問題も私が予想していたものとは全く違うものしか出ていない!

 

頭が真っ白になってしまった。

 

追い打ちをかけるように娘が言った。

 

「 国語の長文が難しくて、全然意味がわからなかった。」

 

国語は娘にとっては得意な科目だったので、得意科目ですら分からなかったとすると、これはかなり厳しい。

 

さらには

 

「 算数の問題も、今まで一度もやったことがない円柱の体積の問題が出たんだよ!」

 

と、娘が父親に入試問題を見せた。

 

私は心の中で「勘弁してくれよ。算数までも対策していなかった問題が出たの?」

 

と叫んだ。

 

娘には失礼だが、帰りの車の中で私は不合格を確信した。

 

確信せざるを得なかった。

 

今まで娘と一緒に勉強してきたからこそわかる「勘」とも言えるだろう。

 

お昼ご飯もそこそこに娘は「学校に行く!」と言って、ランドセルを背負って元気に飛び出して行った。

 

私はお腹がすいていたが、お昼ごはんも食べずに、受ける予定のなかった学校の願書を書き始めた。

 

第一志望校がダメだったとすると、とりあえず、受かる可能性があるところは受けておかないと。

 

今願書を書いている学校の出願締め切りは、明日の夕方までだけど、明日は明日で違う学校を受けなければいけない。

 

それに明日の天気予報は最悪なことに雪❗

 

まだ雪が降っていない今日のうちに、早く願書を窓口に届けなければ!

 

急いで願書を書き、写真を貼り、郵便局でお金を振り込み、その足で学校へ向かった。

 

そうそう、通知表のコピーも提出しなければならないんだ。

 

よかった💦コピーをたくさん取っておいて。

 

カーナビを頼りにその学校にやっと着いた。

 

願書を窓口に出して、 ひと安心と思ったら、ショッーーーク!

 

写真を貼り忘れていたことに気づいた。

 

願書には写真を貼ったのだが、受験票に貼るのを忘れていたのだ。

 

写真、家に置いてきちゃったよ😭💦

 

また家に戻って、再度学校に来なければならなくなった。

 

窓口の受付締切時間は4時まで。

 

今は3時だから、急いで戻れば何とか間に合いそう。

 

そうこうしているうちに雪交じりの雨が降り始めた。

 

寒さが身にしみる。

 

やっぱり私は気が動転しているんだな。落ち着け、落ち着け。

 

急いで自宅に戻り、のりと写真だけをつかみ、また車に飛び乗った。

 

そしてなんとか締め切り時間までに、願書を提出することができた。

 

夕方になり、娘が学校から帰ってきた。

 

娘の態度は、比較的明るく、「自分は合格できるかもしれない」と期待しているようだった。

 

仲の良い友達とも「もし合格してたら、電話するね」などと約束したらしい。

 

合格発表は午後7時。インターネットで。

 

私は多分ダメだろうなと思いつつも、 でもやっぱりギリギリでもいいから合格してほしいと願った。

 

7時になって、暗い気持ちでインターネットをチェックした。

 

私は昔から勘だけは鋭く、直感力があると手相占いの人にも言われたぐらいなので、こんな暗い気分で合格発表をチェックするということは結果も大体ダメだということなのだ。

 

結果は「残念でした。不合格です」

 

やっぱりね。あれだけ難しくて、解けなかったって言っているんだから、当然の結果だよね。

 

あの時の私の気持ちは今でも思い出したくないくらい、混乱して悲しくて辛かった。

 

さっさとパソコンの電源を切って、娘に「ダメだったよ」と伝えたら、娘が「本当かどうか、もう一度自分の目で確かめたい」と言うので、もう一度パソコンを立ち上げた。

 

「不合格」の文字を見て娘は納得したらしい。

 

明日は第2志望と第3志望の学校の試験があるし、頭を切り替えて頑張ってもらわなければならない。

 

「精一杯頑張ったんだから、 仕方ないよ。また明日頑張ろう。」と励ますしかなかった。

 

まだ夜の7時過ぎだったけれど、もう寝させることにした。

 

布団に入った娘は呆然としていて、いくら問題があまりできなかったとはいえ、実際に不合格になるとは思っていなかったらしく、ショックを受けている様子だった。

 

「もう試験を受けたくない」と娘は言ったが、ここで終わるわけにはいかない。

 

「明日頑張ろう!せっかく今まで頑張ってきたんだから!」と前向きに励ますしかなかった。

 

娘はそのまま寝てしまったが、その後私は「 明日受ける学校もダメだったらどうしよう」と思い、他の学校を受ける準備をし始めた。

 

今まで受ける予定のなかった学校の願書も一応取り寄せておいたので、それを書いたり、出願期間を確かめたりしているうちに、あっという間に11時ぐらいになってしまった。

 

明日は雪が積もるらしいから早く寝ないと。

 

お風呂に入りながら「どこでもいいから受かって欲しい。そうすれば気持ちが全然違うから」と願った。

 

どちらにしても、明日の今頃には第2志望と第3志望校の結果がわかっているはず。

 

その結果次第で次のアクションをどうするか考えないと。

 

第一志望に落ちたショックを感じるヒマもなく、次から次へとやることが山積みになっているプレッシャーを感じつつ、眠りに落ちた。



 

雪の中、第二志望を受験

目覚ましが鳴る前にパッと目が覚めた。

 

あたりはまだ真っ暗で妙にしーんとしている。

 

「この静けさは雪が積もっている証拠だな」と思って窓を開けたら、やっぱり雪がうっすらと積もっていた。

 

関東地方では珍しい2週連続の雪。

 

それも一生に一度の中学受験の時にこんな雪が降らなくてもいいのに…。と恨めしい気分になってしまった。

 

昨日の第一志望校失敗のショックからまだ立ち直れていない私の気分は最悪。

 

それに今日受ける学校だって受かるかどうかわからない。

 

先が見えない真っ暗なトンネルの中を、重いおもりをつけて歩いている気分になった。

 

自然と不機嫌になってしまい、娘がぼーっとしてなかなか着替えないのを見て、声を荒げてしまった。

 

「ぼーっとしてないで早く着替えて復習をしなさい!そんなボーっとしているから落ちるんだよ。」と言ってしまった。

 

娘よ、ごめん。

 

そんなひどいことを言ってしまって。

 

娘が一番辛いだろうにね。

 

でも私も心に余裕がなく、いっぱいいっぱいだったのだ。

 

昨日夫に車のタイヤにチェーンを装備してもらっていたので、雪が積もっていてもなんとか試験会場には行けると思う。

 

でも交通渋滞や交通マヒが起こっている可能性もあるから、早めに家を出ないと遅刻してしまうかもしれない。

 

第二志望の学校までは普通に運転しても1時間ぐらいはかかるので、 雪のことも考慮して、私たちは2時間前に家を出た。

 

車に乗っている間も時間を無駄にできない。

 

今までの復習をしないと。

 

「最後までしつこく諦めず、 一点でも多く取ろうとする執念が合格を呼び込む」と信じているので、 車の中でも過去問題集をやり続けた。

 

途中道に迷ったりしたが、なんとか第二志望の学校に到着することができた。

 

学校の駐車場は、まるで雪国のように真っ白になっていて、 こんな状況の中で入試を受けるなんて、たいへんだ~😱と、 改めて思った。( 雪国に住んでいる人はもっともっと大変だよね)

 

凍えるような寒さの中、そして雪が降り続く中、娘の手を引いて転ばないように試験会場へと向かう。

 

もうこれ以上は失敗してほしくない。

 

今まで頑張ってきたのに、また失敗したら娘のプライドだって傷ついてしまう。

 

車中、 第二志望校の過去問題集を復習してみたら、 手応えがあったので「 ○○ちゃん(娘のこと)の実力ならきっと大丈夫だよ」と励まして送り出した。

 

控え室で待っている間、私は持参した本を読もうと思ったのだが、緊張のためか全く本の内容が頭に入ってこなかった。

 

この緊張感は、もう今日限りで終わりにしたい。

 

こんな緊張感をあと何日も味わうのかと思うと、本当に寿命が縮まる。

 

長い長い4教科の戦いを終え、娘が戻ってきた。

 

娘の顔は昨日と違い、晴れ晴れとしていた。

 

そして「 今日のテストは自信あるよ!」と言ってくれたので、私はだいぶ安心した。

 

控え室に貼り出された入試問題を見て、「これだったら結構できたんじゃないかな?!」と私も思っていたので、期待が高まる。

 

まだ結果は出ていないが、とりあえず昨日の失敗から立ち直り、再度4教科の試験を受けてくれた娘に感謝したい。

 

よく頑張ったね!

 

娘は私が思うより、ずっと精神力が強いようだ。

 

車の中で急いでお昼ご飯を食べたら、次は第3志望の学校に向かわなければならない。

 

今度は国語と算数のテストと面接があるのだ。

 

そして、さっき受けた第二志望の学校の発表はインターネットで2時半から結果を見ることができる。

 

試験が終わってから2時間足らずで結果がわかるなんて、ありがたいことだ。

 

第3志望の学校に着き、 私は控え室で娘を待つことにした。

 

時計を見たら、ちょうど2時半。

 

さっき受けた学校の結果が、もう出ている。

 

今度こそ受かっていてほしい。

 

祈るような気持ちで、スマホで学校のサイトにアクセスする。

 

この時の気分は、もう吐き気がするぐらい、何とも言えず、 心臓に悪い瞬間であった。

 

サイトにアクセスすると合格者の番号が載っていた。

 

21番。

 

あったーーー!

 

嘘じゃないよね?夢じゃないよね?

 

急に息苦しくなって、目から涙があふれ出た。

 

周りに人がいたけれど、涙が止められなかった。

 

声を上げて泣きたかったけれど、さすがにそれはできない。

 

でも私は人目もはばからず、タオルで顔を覆い涙を流した。

 

娘よ、ありがとう。

 

ここに受かっただけで十分だ。

 

本当によくやったよ。

 

そして第二志望の学校にも感謝の気持ちが湧いてきた。

 

「受からせてくれてありがとうございます。もうここに決めます。」と思った。

 

一つでも合格通知をもらっていると、こんなに気分が違うんだなと実感した。

 

とりあえず真っ暗なトンネルからは抜け出すことができた。

 

第二志望の学校に通うことになるだろうと、この時は思っていた。

 

数時間経って、娘が第3志望の学校の入試を終え、 控え室に戻ってきた。

 

「○○ちゃん、さっき受けた学校、合格してたよ!」と言ったら、娘は結構冷静に「やっぱりね」という感じでニヤリと微笑んだ。

 

なんだ!?その余裕は。

 

第3志望の学校も合格することができた。

 

もうこれで第2志望の学校に行くことが、ほぼ決まりかもしれないと思った。

 

第2志望の学校の入学手続きは、明日中にしなければいけない。

 

私はその心づもりでいた。



 

突然の急展開

二日目の全ての入試を終え、疲れ果ててやっとの思いで家に帰ってきた。

 

本当に疲れたけれど、今日受けた学校は両方とも合格できたので、良かった。

 

明日は娘が受けたいと言って、 急きょ受けることにした、共学校の入試があるので、早く寝なければ。

 

娘はお風呂に入り、私は明日の入試の受験票などを印刷していた。

 

また、明後日には第一志望校の自己アピール入試も控えている。

 

自己アピール入試の準備はまだ50%ぐらいしかしていなかったので、合格できるかどうかわからない。

 

でもこうなったら、限られた時間の中でベストを尽くすしかないんだ。

 

そう思っていたら、夜の8時過ぎなのに急に電話が鳴った。

 

それは、なんと第一志望校からの繰り上げ合格の電話!

 

急転直下の急展開。

 

昼間から何度も電話をくださっていたみたいだが、一日中誰もいなかったので、やっと夜になって通じたとのこと。

 

突然のことに頭がついていかない。

 

「少し時間をください。」と言って一旦電話を切り、家族会議。

 

私としてはその学校に行ってほしかったが、娘の気持ちもちゃんと確認しないと。

 

でも早く結論を出さないと、せっかくの繰り上げ合格の権利が次の人に行ってしまうかもしれない。

 

あと1時間以内に結論を出す必要があった。

 

話し合いの結果、明日の共学校の試験は受けずに、娘は「第一志望の学校に行く」と言ってくれた。

 

もう第一志望の中学に行くことは、ほぼ諦めていたのに。

 

こんな急な展開って本当にあるんだな。

 

こうして長く続くと思われた私たちの戦いは、 急展開で幕を閉じた。

 

繰り上げ合格できたということで、娘の入試の点数は、 ボーダーラインぎりぎりのところにあったらしい。

 

学校の方が言うには、あと1点か2点の差だったとのこと。

 

本当にこんな奇跡ってあるんだな。

 

あと数時間、繰り上げ合格の電話が遅かったら、第二志望の学校に入学金を払ってしまうところだった。

 

結果的に第一志望校に合格することができた。

 

娘よ、中学校に入っても、コツコツと頑張る習慣を忘れずに、努力していってほしい。

 

初日に第一志望校に失敗して、親があたふたしているのに、本人は結構冷静で、次の日の試験にもめげずに立ち向かって行った娘を本当に心から褒めてあげたいと思う。

 

そして誇りに思う。

 

この受験、そして入試を通して 一回りも二回りも成長して、たくましくなってくれたと思う。

 

本当にありがとう。

 

そして支えてくれた方々、応援してくれた方々に心から感謝。

 

最後まで諦めずに、あと1点でも2点でも取ろうとする「執念」「粘り」が、必ず良い結果に結び付いていくと実感できた入試体験でした。



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